電話代行のプランは、月の平均件数で選ぶと失敗します。繁閑差の大きい業種では、平均に合わせたプランが繁忙期に超過し、閑散期には余るという両面の無駄が生じます。
引越業なら3月、税理士事務所なら2〜3月、イベント関連なら開催前が山になります。ここでは季節変動を前提にしたプラン設計の考え方を整理します。
まず自社の変動幅を数字にする
設計の出発点は、月ごとの振れ幅を把握することです。感覚では「繁忙期は忙しい」で終わってしまいます。
最大月と最小月の差を出す
過去1年の月別受電件数を並べ、最も多い月と少ない月を確認してください。年平均が月180件でも、最大280件・最小110件なら、平均に合わせたプランは年に数ヶ月ずつ両方の無駄を生みます。倍以上の差がある業種は、単一プランで通年運用するのが難しい状態です。
山が来る時期と続く期間を確定する
繁忙期が1ヶ月だけなのか3ヶ月続くのかで、打ち手が変わります。1ヶ月なら超過料金を払うほうが安いことも多く、3ヶ月続くなら期間限定でプランを上げる価値が出ます。山の前後にどれくらい増え始めるかも見ておくと、切替のタイミングを決めやすくなります。
三つの設計パターンを比べる
変動が分かったら、対応方針を選びます。大きく三つの考え方があります。
平均に合わせて超過を受け入れる
通年で中位のプランを契約し、繁忙期は超過料金を払う方法です。手続きが発生しない手軽さがありますが、超過が続くと総額が膨らみます。繁忙期が1ヶ月程度で、超過幅が小さい場合に向いています。
繁忙期に合わせて上位プランを通年契約する
最大月でも収まるプランを通年で持つ方法です。超過の心配がなく運用は安定しますが、閑散期は明らかに余ります。件数が読めない立ち上げ期や、取りこぼしを絶対に避けたい事業には妥当な選択です。
期間ごとにプランを上下させる
繁忙期だけ上位プランへ切り替え、終わったら戻す方法です。無駄は最も少なくなりますが、変更が可能かは契約次第です。月単位で変更できるか、手数料がかかるか、何日前までの申請が必要かを事前に確認してください。
- 超過を受け入れる … 手続き不要。繁忙期が短く超過幅が小さい場合
- 上位プラン通年 … 運用は安定。件数が読めない時期に有効
- 期間ごとに変更 … 無駄は最小。契約上の変更条件を要確認
年間総額で比較する
判断は月額ではなく、年間で支払う総額で行います。ここを揃えないと比較になりません。
三パターンの総額を試算する
例として、閑散期9ヶ月が月120件、繁忙期3ヶ月が月280件の会社を考えます。プランAは月20,000円で上限200件・超過1件300円、プランBは月35,000円で上限400件とします。
プランAを通年で使うと、閑散期は20,000円×9ヶ月=180,000円、繁忙期は超過80件×300円=24,000円が加わって44,000円×3ヶ月=132,000円となり、年間312,000円です。プランBを通年で使うと35,000円×12ヶ月=420,000円になります。繁忙期だけBへ切り替える場合は、180,000円+105,000円=285,000円で最も安くなります。
手数料と手間も判断に入れる
切替が最安でも、変更手数料が1回5,000円なら年2回で10,000円が加わります。それでも今回の例では最安のままですが、差が小さい場合は手続きの手間を考えて通年契約を選ぶ判断もあり得ます。
繁忙期の品質を落とさない工夫
件数が増える時期は、費用より応対品質のほうが問題になりやすい面があります。
繁忙期用の応対文を別に用意する
件数が集中すると、1件ごとに時間をかけられません。繁忙期は聞き取り項目を必須分だけに絞り、詳細は折返しで確認する形に切り替えると、待たせる時間を短縮できます。通常期の応対文とは別に用意しておき、期間の前に差し替えてください。
事前に代行会社へ見込みを伝える
増加を当日に知らされると、代行会社も人員を用意できません。過去の実績をもとに、いつからどれくらい増えるかを1ヶ月前には共有してください。繁忙期の体制について相談できる会社かどうかも、選定時の判断材料になります。
まとめ
季節変動のある業種では、月の平均件数でプランを選ぶと繁忙期の超過と閑散期の余剰が同時に起きます。最大月と最小月の差を確認し、超過受け入れ、上位プラン通年、期間ごとの変更の三つを年間総額で比べてください。
判断は月額ではなく年間の支払総額で行うことが基本です。合わせて、繁忙期の応対文と体制について事前に代行会社と相談しておきましょう。まずは過去1年の月別件数を並べるところから始めてください。