契約更新の案内が届くと、書かれた条件をそのまま受け入れてしまいがちです。しかし電話代行の契約には、金額以外にも調整できる項目がいくつもあります。
値上げを提示された場合も、金額だけを争点にすると話が進みません。ここでは交渉の対象になる項目と、材料の準備の仕方を整理します。
交渉の前に自社の立場を確認する
交渉力は準備で決まります。まず自分の側の状況を把握してください。
解約予告期間を確認する
交渉の前提は「他に移る余地がある」ことです。解約予告が2ヶ月前必要な契約で、更新1ヶ月前に交渉を始めると、実質的に選択肢がありません。予告期間を確認し、期限の1ヶ月以上前に話を始めてください。
利用実績を数字にする
1年間の受電件数、超過の発生月、支払総額を整理します。継続して利用してきた実績は交渉材料になります。加えて、件数が増加傾向なら将来の取引額が増えることを示せます。
乗り換えコストを把握する
他社に移る場合、番号の引継ぎ、資料の再整備、二重運用の費用が発生します。この負担を自分で理解しておくと、どこまで押すかの判断ができます。乗り換えたほうが得だと分かれば、それも一つの結論です。
金額以外に調整できる項目
値上げを撤回させるのは難しくても、他の条件で実質的な負担を下げられる場合があります。
上限件数の引き上げ
月額が上がる代わりに、上限件数を増やしてもらう交渉です。上限200件が250件になれば、毎月50件分の超過料金がなくなります。超過1件300円なら月15,000円の効果で、値上げ幅を上回ることもあります。
超過単価の引き下げ
上限を変えずに、超過単価を下げてもらう方法です。1件300円が250円になれば、超過60件で月3,000円の差になります。件数が多い事業ほど効果が大きくなります。
オプションの無償化
使っているオプションを基本料金に含めてもらう交渉です。チャット連携や時間外対応が月2,000円なら、年間24,000円分の効果があります。
- 上限件数の引き上げ … 超過が常態化している場合に効果が大きい
- 超過単価の引き下げ … 件数が多い事業に有効
- オプションの無償化 … 金額は小さいが通りやすい
契約期間と支払条件
年間契約にすることで月額を下げられる場合があります。逆に、単年での縛りを短くしてもらう交渉もあり得ます。年払いにすると割引が適用される契約もあるため、資金繰りに余裕があれば確認してください。
値上げを提示されたときの確認
値上げそのものが不当かどうかは、理由を聞かないと判断できません。
理由と適用範囲を聞く
人件費の上昇による全顧客一律の改定なのか、自社の利用状況に応じた個別の変更なのかを確認します。前者なら交渉の余地は小さく、後者なら根拠を確認する価値があります。
値上げ後の総額で比べる
月額が5,000円上がっても、上限件数が増えて超過がなくなるなら総額は下がることがあります。月額20,000円で超過18,000円かかっていた状態が、月額25,000円で超過なしになれば、月13,000円の改善です。提示された条件全体で計算してください。
段階的な適用を相談する
値上げ幅が大きい場合、半年間は現行料金、その後に改定という形を相談できることがあります。予算の都合を伝えると応じてもらえる場合もあります。
交渉の進め方
姿勢も結果に影響します。
不満ではなく実績で話す
「高い」という主張だけでは根拠になりません。年間の受電件数、超過が出た月、支払総額を示し、そのうえで希望する条件を具体的に伝えてください。「上限を250件にしてもらえれば継続したい」という形が最も話が進みます。
他社の条件を材料にするなら正確に
相見積もりを取って比較材料にするのは正当な方法ですが、条件を正確に把握してから使ってください。上限件数や対応時間が違うものを並べると、話がかみ合わなくなります。
継続の意思を示す
応対品質に問題がなく続けたい場合は、それを伝えたほうが交渉は通りやすくなります。代行会社にとっても、既存顧客の維持には価値があります。
まとめ
契約更新は、金額以外にも上限件数、超過単価、オプション、契約期間といった調整可能な項目があります。値上げを提示された場合も、提示条件全体の総額で判断してください。
交渉の材料は年間の利用実績です。解約予告期限の1ヶ月以上前に、実績を整理してから話を始めることが条件になります。まずは契約書で解約予告期間を確認し、直近1年の受電件数と支払総額をまとめましょう。