自社コールセンター構築と電話代行の分岐点|内製化すべき規模とは

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自社コールセンター構築と電話代行の分岐点|内製化すべき規模とは

受電件数が増えてくると、外注を続けるか自社で体制を作るかという判断が出てきます。電話代行は件数に応じて費用が増えるため、ある規模を超えると内製化のほうが安くなる構造です。
ただし分岐点は件数だけでは決まりません。ここでは費用と業務特性の両面から、判断の目安を整理します。

内製化に必要なものを洗い出す

比較の前に、自社で持つ場合に何が必要かを確認します。人件費だけを見ると見積もりが甘くなります。

人員は想定より多く必要になる

1人が常時電話を受ける体制を作るには、1人では足りません。休憩、有給、急な欠勤があるため、同時に1回線を埋め続けるには2人以上の確保が必要です。対応時間を9時から18時までとすると、シフトを組んで最低2〜3人を想定することになります。

設備と教育の負担が続く

電話機やヘッドセット、着信を振り分ける仕組み、応対を記録する仕組みが必要です。加えて、入社した人を教育する工数と、品質を保つための管理者の時間も継続的に発生します。この管理コストは件数が増えても減りません。

採用と離職の波を自社が負う

人が辞めれば採用から教育をやり直します。電話応対の職種は定着が課題になりやすく、この波を自社で吸収する必要があります。

費用の分岐点を試算する

条件を置いて比較します。内製化は正社員1名と契約社員1名で、人件費が合計で月600,000円、設備と管理の費用を月100,000円とし、合計月700,000円と仮定します。電話代行は月額35,000円で上限400件、超過1件250円とします。

月400件の場合

電話代行は上限内で月35,000円、年間420,000円です。内製化は年間8,400,000円になります。差は20倍で、比較にもなりません。

月1,000件の場合

電話代行は超過600件×250円=150,000円が加わり、月185,000円で年間2,220,000円です。内製化の8,400,000円とはまだ4倍近い差があります。

月3,000件の場合

電話代行は超過2,600件×250円=650,000円で、月685,000円となり年間8,220,000円です。ここで内製化とほぼ並びます。つまり費用だけで見た分岐点は月3,000件前後という水準です。

  • 月400件 … 外注が圧倒的に有利
  • 月1,000件 … 依然として外注が有利
  • 月3,000件前後 … 費用が並び、他の要素で判断する段階

件数以外の判断要素

月3,000件は1日あたり150件程度で、多くの中小企業には届かない水準です。それでも内製化を検討すべき場合があります。

業務の専門性が高い

応対の中で製品の技術的な説明や、規制に関わる判断が必要な場合、外部のオペレーターでは対応しきれません。医療機器や金融商品のように、誤った説明が実害につながる領域では、件数が少なくても内製化の理由になります。

応対そのものが競争力になっている

顧客との会話から要望を拾い、商品開発に反映しているような事業では、電話対応は情報収集の手段です。この場合、効率化より自社で聞くことに価値があります。

通話内容を社外に出せない

契約や法令で通話内容の外部委託が制限されている場合、選択肢が内製化に限られます。委託が可能かを契約と規制の両面で確認してください。

段階的な移行という選択

内製と外注は二者択一ではありません。

一次受付だけ外注する

用件の聞き取りと振り分けを電話代行に任せ、専門的な回答は自社が折返す形です。件数の多い一次対応を外に出しつつ、判断が必要な部分を自社に残せます。内製化の人員を増やさずに件数増に対応できます。

時間帯で分ける

日中は自社で受け、時間外と休日を電話代行が補います。内製の人員を増やさずに対応時間を広げられるため、採用が難しい時期の現実的な解になります。

「本日の受付時間は終了いたしました。ご用件をお伺いし、担当者へ申し伝えます」

時間外の一次受付だけでも、取りこぼしは大きく減ります。

まとめ

費用だけで見れば、内製化が有利になるのは月3,000件前後からです。多くの中小企業ではこの水準に届かず、外注のほうが合理的な状態が続きます。
ただし業務の専門性が高い、応対が競争力になっている、通話内容を外部に出せないといった場合は、件数に関係なく内製化を検討する理由があります。まず一次受付だけを外注し、判断が必要な部分を自社に残すという段階的な形も検討してください。判断の前に、自社の月間受電件数と用件の専門性を確認しましょう。