オンライン秘書と電話代行は、どちらも「業務を外部に任せる」サービスとして紹介されるため、混同されがちです。しかし両者は得意としている性質が違います。
電話代行は即時対応、オンライン秘書は作業の代行に強みがあります。ここでは重なる部分と分かれる部分を整理します。
それぞれが引き受けているもの
違いを理解するには、何に対して料金を払っているかを見ると分かりやすくなります。
電話代行は待機と即応に対する対価
電話代行は、いつ鳴るか分からない電話に応対できる体制を維持しています。料金は受電件数に応じた形が基本で、待機している時間そのものに価値があります。営業時間内は常に誰かが出られる状態を確保するのが役割です。
オンライン秘書は作業時間に対する対価
オンライン秘書は、月に何時間という形で契約し、その時間内で依頼した作業を処理します。日程調整、資料作成、データ入力、経費処理などが一般的な業務範囲です。依頼を受けてから着手するため、着信への即時対応は前提になっていません。
重なる部分と誤解しやすい点
両者の説明には同じ言葉が出てくるため、比較を誤りやすい部分があります。
「電話対応」の意味が違う
オンライン秘書のサービス一覧にも電話対応が含まれることがあります。ただしこれは、指定した相手への発信や、日程調整のための連絡を指す場合が多いものです。鳴った電話をその場で取る業務とは性質が異なります。着信対応を期待して契約すると、想定と食い違います。
秘書業務の代行という表現
電話代行にも「電話秘書」という呼び方があり、名称だけでは区別できません。契約前に、着信への応対が含まれるのか、作業時間の提供なのかを確認してください。
- 電話代行 … 着信に対する即時応対(待機体制への対価)
- オンライン秘書 … 依頼した作業の処理(作業時間への対価)
費用構造の違い
料金の考え方も異なるため、単純な月額比較はできません。
電話代行は件数で変動する
月額5,000〜30,000円程度のプランに上限件数があり、超えると1件100〜500円程度が加算される形が一般的です。受電が増えれば費用も増えます。
オンライン秘書は時間で決まる
月10時間で30,000〜50,000円程度が目安となり、時間を使い切らなければ繰り越せない契約もあります。作業量が読めない場合、使い残しか時間切れのどちらかが起きやすくなります。
併用したときの総額を見る
両方が必要な場合、電話代行20,000円とオンライン秘書30,000円で月50,000円になります。オンライン秘書の時間を電話対応に使うより、それぞれ得意な範囲に分けたほうが結果的に安くなることが多いものです。
どちらを選ぶかの判断
自社の課題がどちらの性質かで決まります。
取りこぼしが問題なら電話代行
不在時や時間外の着信を逃している、電話で作業が中断される、といった課題なら電話代行です。即時性が求められる問題は、作業代行では解決しません。
手が回らない作業が溜まっているなら秘書
請求書の作成、日程調整、資料の整理などが滞っているなら、オンライン秘書の領域です。これらは即時性を必要としないため、電話代行では引き受けられません。
両方ある場合は分けて依頼する
一人で事業を回している場合、両方の課題を抱えていることが珍しくありません。その場合は、着信を電話代行、作業をオンライン秘書という形で分けるのが基本です。一方に両方を任せようとすると、どちらも中途半端になります。
契約前に確認したいこと
名称では判断できないため、確認事項を具体的にしておきます。
着信対応の範囲を聞く
営業時間内はいつでも出られるのか、指定した時間帯だけか、受電件数に上限があるかを確認します。オンライン秘書で電話対応を含む場合、時間が消費される仕組みかどうかも重要です。
報告の速さを確認する
電話代行は受電直後の通知が基本ですが、オンライン秘書の場合は稼働時間内でまとめて報告される形もあります。急ぎの用件を扱うなら、この差が実務に影響します。
「ご用件をお伺いし、担当者へすぐに申し伝えます」
この「すぐに」が実現できる体制かどうかが、選定の分かれ目になります。
まとめ
電話代行は待機と即時応対、オンライン秘書は作業時間の提供に対する対価です。名称が似ているため混同されますが、解決できる課題が異なります。
取りこぼしや業務中断が課題なら電話代行、溜まった作業の処理が課題ならオンライン秘書を選んでください。両方の課題があるなら、無理に一方へ寄せず分けて依頼するほうが結果的に効率的です。契約前に、着信対応の範囲と報告の速さを必ず確認しましょう。