電話代行サービスのセキュリティ対策と個人情報保護

セキュリティ/法令
公開日 : 2025-10-22更新日 : 2025-10-22
電話代行サービスのセキュリティ対策と個人情報保護

電話代行サービスは、企業の顧客対応を代行する性質上、顧客の氏名・電話番号・商談内容などの個人情報や企業機密情報を扱う業務です。 そのため、委託先のセキュリティ体制が不十分な場合、情報漏洩や不正利用のリスクが発生します。

実際、総務省の調査によれば、外部委託業務に起因する情報漏洩のうち、約20〜30%が業務委託先で発生しています。 電話代行も例外ではなく、「委託先のセキュリティ対策を確認せずに契約する」ことが最も大きなリスクといえます。


電話代行サービスに求められる主なセキュリティ対策

1. 個人情報保護体制(Pマーク・ISMSなど)

信頼できる電話代行会社は、第三者認証制度によるセキュリティ基準を取得しています。

認証制度概要確認すべきポイント
プライバシーマーク(Pマーク)JIS Q 15001に基づき、個人情報保護体制を整備した事業者に付与定期的な更新(2年ごと)が行われているか
ISMS(ISO/IEC 27001)情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格適用範囲に「電話代行業務」が含まれているか

ポイント: 認証があるからといって安心せず、取得範囲と更新状況を確認することが重要です。


2. 通話データ・顧客情報の保護

電話代行業務では、音声データや顧客メモなどの電子情報が多く扱われます。 そのため、以下のような技術的・運用的な保護措置が求められます。

技術的対策

  • データ暗号化(SSL/TLS) による通信の保護
  • アクセス権限の分離 による内部不正防止
  • クラウドサーバーの物理的セキュリティ(データセンターの監視体制)
  • 定期的なバックアップとログ管理

運用的対策

  • 退職者や異動者のアカウント削除ルール
  • 持ち出し制限(USB・私物スマホなどの使用制限)
  • 録音データの保存期間と自動削除ポリシーの明確化

要確認項目: 顧客データの「保存期間」「保管場所」「削除手順」が契約書または規約に明記されているか確認しましょう。


3. オペレーター教育と内部管理体制

セキュリティリスクの多くは、システムよりも「人為的ミス」から発生します。 したがって、オペレーターへの教育体制が整備されているかどうかは非常に重要です。

具体的な確認ポイントは以下の通りです。

  • 個人情報保護に関する定期研修を実施しているか
  • 応対記録・報告書への記入ルールが統一されているか
  • 機密保持契約(NDA)が全社員・委託スタッフに義務付けられているか
  • モニタリング・品質管理部門が独立して存在するか

内部監査制度がある企業ほど、セキュリティ意識が高い傾向にあります。


情報漏洩リスクを防ぐための契約上のチェックポイント

1. 機密保持契約(NDA)の締結

契約時には必ず機密保持契約(NDA)を締結し、情報取り扱い範囲を明確化しましょう。 特に以下の点を確認することが大切です。

  • 「第三者への再委託」禁止条項の有無
  • 漏洩発生時の報告義務と対応手順
  • 契約終了時のデータ削除義務

NDAがない、または簡易的な覚書レベルしかない場合は、セキュリティ面で不安が残ります。


2. 契約書におけるセキュリティ条項

契約書には、具体的なセキュリティ要件や罰則規定が含まれているか確認しましょう。

  • 個人情報保護法・GDPR・マイナンバー法などへの準拠明記
  • データ保管・削除・報告義務の記載
  • 損害賠償の範囲と責任分担

「法令遵守」だけでなく「再発防止・報告フロー」まで具体的に定められている契約が望ましいです。


クラウド型電話代行システムのセキュリティ強化ポイント

近年はクラウドシステムを活用した電話代行も増加しています。 利便性が高い一方で、クラウド特有のセキュリティ対策が必要です。

1. 通信経路とデータ暗号化

クラウド上で通話や顧客データを扱う場合、エンドツーエンド暗号化(E2EE)が導入されているか確認してください。 また、データ転送時だけでなく保存時(at rest)にも暗号化されていることが重要です。

2. アクセス管理と多要素認証(MFA)

管理画面や顧客データベースにアクセスする際、 ID・パスワードだけでなくMFA(多要素認証)を利用しているか確認しましょう。 これにより、万が一パスワードが漏洩しても第三者アクセスを防げます。

3. ログ監査と改ざん防止

クラウドシステムでは、誰が・いつ・どのデータにアクセスしたかを記録するログ監査機能が必須です。 また、監査ログの改ざんを防ぐために外部バックアップ保存を行う運用体制が望まれます。


トラブル事例から学ぶリスク回避策

過去には、電話代行業務を委託した企業で次のような事例が報告されています。

  • 外部スタッフが顧客情報を私的利用し、SNSに投稿
  • 契約終了後も録音データが削除されず、第三者が閲覧可能な状態に
  • クラウドサーバーの設定ミスによる顧客データ流出

これらの事例から得られる教訓は、「技術的な対策+人と契約の管理が両輪である」ということです。 いずれかが欠けると、いくらシステムが堅牢でも情報漏洩リスクは完全には防げません。


安心して委託するための最終チェックリスト

電話代行サービスを選定する際は、以下のチェック項目を確認しておくと安心です。

チェック項目確認すべき内容
認証取得Pマーク・ISMSなどの有無
契約内容NDA・セキュリティ条項の記載
データ管理保存場所・削除期間・暗号化方法
オペレーター教育個人情報研修・内部監査体制
障害対応情報漏洩発生時の報告手順と責任範囲
クラウドセキュリティ暗号化・MFA・ログ監査の有無

この6項目を満たしていない会社とは契約を見送る判断も必要です。


まとめ:セキュリティ対策は信頼関係の礎

電話代行サービスを安心して活用するためには、「価格」や「対応品質」だけでなく、「情報セキュリティ」を最優先で評価することが不可欠です。 企業の信頼は一度失うと取り戻すのが難しく、情報漏洩はその最たるリスクです。

セキュリティ体制が整った代行会社を選ぶことこそ、長期的な信頼関係を築く第一歩となります。