リモートワークが定着する一方で、代表電話の運用は「オフィスに誰かがいる」前提のままになりがちです。その結果、電話が鳴っても出られない、転送で個人に負荷が集中する、対応履歴が散らばる――といった問題が起きます。 ここでは、なぜリモートワークと電話代行サービスの相性が良いのかを、課題→解決策→運用設計の順で整理します。
リモートワークで電話対応が破綻しやすい背景
テレワークは一定規模で継続しています。国土交通省の「令和6年度 テレワーク人口実態調査」では、雇用型テレワーカーの割合が24.6%とされています。(国土交通省)
つまり「常に全員が出社している」状態は前提にしづらく、代表電話の運用も見直しが必要になります。
リモートワーク環境で起こりやすい典型的なズレは次の通りです。
- 電話が鳴る場所(固定電話・受付)と、働く場所(自宅・外出先)が一致しない
- 転送で個人携帯に寄せると、担当者に割り込みが集中して生産性が下がる
- 口頭引き継ぎやメモ運用が増え、対応漏れ・重複が起きる
電話代行が“相性が良い”と言える3つの理由
1) 代表電話の取りこぼしを構造的に減らせる
中小企業では、問い合わせ窓口に電話を活用している割合が87.0%と高く、電話対応に「課題がある」と答えた企業が64.4%という調査結果があります。(楽天コミュニケーションズ)
リモートワーク下では、この課題がさらに顕在化しやすいです。
電話代行を入れると、少なくとも一次受付(用件整理・折り返し受付・取次)が止まらず、機会損失とクレームの火種を減らせます。
2) 割り込みを減らし、集中時間を守れる
電話対応の問題は「対応できない」だけでなく、「対応のために仕事が中断される」ことです。 電話代行で一次受付を外だしすると、社内は“必要な電話だけ”に絞りやすくなり、以下の改善が起きます。
- 会議中・作業中の割り込みが減る
- 担当者の集中を守り、処理速度が上がる
- 折り返しの優先順位付けができる(緊急/通常)
3) 在宅運用・BCPの設計に組み込みやすい
コンタクトセンター業界では、在宅オペレーター(在宅コミュニケーター)を「既に採用している」企業が53.8%という調査結果があり、理由として「働き方の多様化」「BCP対策」などが挙げられています。(CCAJ | 一般社団法人コンタクトセンター協会)
電話代行も同様に、拠点依存を減らし、止まらない受付体制を作る選択肢になります。
リモートワークで効く電話代行の活用パターン
営業時間内:一次受付→チャット通知→担当者対応
- 代行:会社名・氏名・用件・期限・折り返し可否をテンプレで聞き取り
- 共有:Teams/Slack等へ定型で通知(分類タグ付き)
- 社内:担当者が空き時間に折り返し、対応完了を記録
この形にすると、電話の“リアルタイム拘束”を減らせます。
時間外:受付のみ→翌営業日に対応
- 夜間/休日は代行が「受付」まで
- 緊急のみルール化してエスカレーション(例:障害・納期当日・重要顧客)
無理に24時間社内で回すより、運用負荷と品質を両立しやすいです。
繁忙時:オーバーフローで代行へ逃がす
社内で取りきれない時間帯だけ代行に振り分けることで、SLA(応答目標)を守りやすくなります。
失敗しない導入のポイント
受付範囲を“線引き”する
電話代行は万能ではありません。重要なのは、代行が扱う範囲を決めることです。
- 代行がやる:用件整理、折り返し受付、取次、定型案内(営業時間等)
- 代行がやらない:契約判断、見積確約、個別トラブルの断定回答 など
ここが曖昧だと、社内の手戻りが増えます。
情報共有の出口を決める
「メール報告だけ」だと埋もれがちです。おすすめは以下の優先度です。
- チャット通知(即時)
- 台帳/チケット(検索・集計用)
- 必要に応じてCRM(顧客対応の履歴化)
KPIで効果を測る
導入効果が見えないと、運用が形骸化します。まずはこれで十分です。
- 取りこぼし件数(導入前後)
- 折り返しまでの時間
- 要件別件数(営業/サポート/請求など)
- 割り込み回数の体感(現場ヒアリング)
クラウドPBXと併用すると強い理由
リモートワークでは、電話代行単体よりもクラウドPBXと組み合わせると運用が安定します。
- 時間帯ルール(時間外は代行へ)
- IVRで用件分類(代行の聞き取りが速くなる)
- 通話履歴・録音の管理(監査性・引き継ぎが楽)
結果として、電話を「誰かの頑張り」ではなく、業務フローとして設計できます。
まとめ
リモートワークでは、代表電話が「場所」と「人」に依存しやすく、取りこぼしや割り込みが増えます。電話代行サービスは、一次受付を外だしして、止まらない受付と集中できる働き方を同時に実現しやすい選択肢です。 受付範囲・共有方法・KPIを先に決め、必要に応じてクラウドPBXも併用すれば、電話対応は“負担”から運用できる業務基盤へと変えられます。